「木づかいのまち小田原」

FMおだわら78.7MHz 情報番組「MORNING GARDEN」

毎月第4火曜日午前10時5分~

 

おだわら森林・林業・木材産業再生協議会方々をお迎えして、小田原の森や小田原産木材に関わるお話や木づかいへの思いを

パーソナリティ牧いずみとフリートークするコーナーです。


vol.5【せりざわたけし工務店 棟梁】芹澤 毅

人と人の出会いと一緒で、
新しく切った木もみんな個性があって、違う。

―芹澤さんは、ラジオ出演はお久しぶりですよね?

はい。前回は、2年前に小田原で開催された「削ろう会(全国削ろう会)」の全国大会の告知で出演させていただきました。

実は、つい先日も岐阜の高山で全国大会が行われました。

やっぱり、人の集まるところはエネルギーがあって凄いですね。おかげさまで平成26年に開催された小田原大会も大盛況で、未だに参加された方から「小田原はよかったよ!」という声をいただいて、やってよかったなと思っています。


ー「削ろう会」は職人の技をみせていただける空間でしたよね。
 「削ろう会」のようなイベントは小田原市内で行われているんですか?

最近は、なかなか街中で大工さんが活躍する場を目に触れなくなってきてますけど、そんな中、全国でがんばっている大工さんが集まって、ただ木を削るというイベントが「全国削ろう会」なんです。でも、そこにはいろんな想いが詰まって、充実したイベントになっています。

 

小田原でも、我々若い大工さんと一緒に、継続的に各種週末やイベントで体験していただくことが必要と思い、そういう機会を作って定期的にイベントを開催しています。

―芹澤棟梁と言えば「小田原城天守閣のリニューアル」なんですが、携わってみていかがでしたか?

本当にたくさんの方に支援していただきました。山の木から、それを製材する材木屋さん。私ら大工に限らず、一般の方々も…。多くの市民が工事中に見学に来ていただいて、一緒にモノを作っているような雰囲気になっていただきました。

 

また、摩利支天像をキチッとした形でお祀りする事ができ、これまでの小田原を守っていただいた感謝の気持ちと、これからの小田原をいい方向に進むように見守っていただけたらという想い…。そんなことを念頭に置いて、多くの方に参加していただきながら携わらせていただきました。

 

ですので、それだけ想いを持った人が集まって事業に携わったということで、それが出来たモノにも浸透し、小田原城を訪れる方にもそういうことがきっと伝わってるんじゃないかと思います。

―天守閣最上階に使われている木は、小田原産のものですか?

そうなんです。実は、メインとなる大きな柱「将軍柱」と呼ばれるものなんですけれども、直径でいうと45cmの八角形の杉材ですね。

 

天守閣を上がっていって5階に到達すると、杉の柱がドンと中央にありますよね。あの木は辻村山林の中にあったんですけども、実は、大久保藩のお殿様が後の事を想ったんですかね…後の時代の人に何かの形に使って貰うということで、約300年くらい前に植えた木なんですね。

それで、今回その摩利支天像を安置するにあたって、私たちの勝手な想像なんですけど、当時の藩主・お殿様が「こういうことに使うんだぞ」っていう想いを込めて植えてくださったのかなと勝手な解釈なんですけど思っているんです。

ですので、辻村さんに、是非これを使わせていただきたいことをお願いしたら、快く「そういうことなら、是非使っていただきたい。」と快諾していただいたんです。

 

つい先日も植樹祭がありましたが、木というのは、植えてそれをまた活用することで、その意味が生まれてくるのかなと思います。

―将軍柱は300年くらいの木を使ってるんですね…。どーんとした感じがお城にピッタリですね。

あの300年の将軍柱に限らず、久野全般の木をふんだんに使っています。
檜やら、もうちょっと若い杉やら、いろいろあるんですけども、そういったものも使わしてもらっています。
 
ご本尊はどういう風に今の場所を思ってられるのかな?なんて想いながら過ごしてますけれども…。

―小田原産の木材を使っている活動が最近多くなってきましたね。

そうですね。やっぱり、いろんな使い方がきっとあると思うんですね。

 

特に良質な材を意味あるものに変える使い方。例えば、良質な材を作るためには、間引きをしていかなきゃいけないですね。山を整備する…。その時、間伐をしていかなきゃいけないんですけども、それもまたいろんなエネルギーに変えたりだとか、いろんな形で使われてきたんですね。そういった、地域にあるこの資材を街の中でたくさん有意義に使えるようになってくれば、山もまた生き生きとして喜んでくれるのかななんて思ってます。

 

私も小田原の山全部を知っているわけじゃないんですけど、縁のある辻村さんの山を見て貰っても、非常にキレイに整備されていますよね。

近年わんぱくらんどなど、久野の山に人がものすごく訪れて、特に大型連休の時は、車が渋滞してしまうぐらい来られてっていうのは、山に来て気持ちがいいということが伝わって人が訪れるキッカケになってるのかなって思いますね。


―これからも小田原産ならではの木を使った活動を考えてらっしゃいますか?

私がやってる仕事っていうのは、どちらかというと、文化を継承していくような仕事なので、あまり木を量産的に捌けてくっていうことよりも、木そのものにある性質を活かして、どういった使い方がいいのかとか…そういった選別をしながら使っていくという風な、意味合いを持たせる方の仕事をしています。

 

木というのは、人と一緒で、一本一本違うんですね。性質も違うし、1m離れた隣の木でも違う性質を持ってたりするんですよ。ですので、我々がやっている大工の仕事は「木のクセを読む」っていうんですね。

人間も一人一人、クセといいますか、特徴があるように、木も生き物なので違うんです。 山に生えた木を伐採して、製品にする作業があるんですね。皆さんがよく目にする角材みたいな製品になって、材木屋さんに置いてある。ああいうものに変わるわけなんですけども、実は木っていうのは、立木を切って製品になってもまだ特徴を活かそうとして生きてるんですよ。

自然の中の空気を敏感に読み取って、湿度だとか乾燥具合っていうのを木っていうのは製品になってもまだ受けて、時には曲がったり、割れたり、ねじれたりっていう風にするんです。それを私たちはどうするかっていうと、曲がった木などは、曲がるべくところに…。お家でいったら、力がかかるところに曲がりを利用して使ったりするんですね。

要するに適材適所ということなんです。曲がったり割れたりする木っていうのは、それはもう個性なんでね。

 

個性っていうのは、その木にしかない特徴であり、それを活かすべく、配置付けをしてくんですね。それが我々の大工の一つの大事な仕事なのかなっていう気がしますね。

 

毎日毎日、木と向き合ってると、それこそもう「これでいい!」というものはないです。人と人の出会いと一緒で、新しく切った木も、一本一本みんな個性があって違うんですね。

木は言葉をしゃべれませんから、我々がそこをこう触ったり、見ながらですね、個性を少しでも読み取ってあげて「君の活躍する所はここだよ!」っていう風に配置してあげるんです。

―摩利支天像の安置する場所を作っている時の芹澤棟梁の鋭い職人さんの目と、今の木の話をしている時の目が一緒で、木に対する愛情が伝わってきますね。

私は、天守閣の事業を通じて小田原近辺に住んでられる大工さんの手で山の木を使い、なにかご本尊の為にしてあげることがいいことなのかなと思っていました。

 

実は今回、小田原近隣でがんばってられる大工さんに「やりたい人、集まれ!」みたいな感じで集まって貰って、出来るだけ私は手を出すのをグッと我慢して、みんなにやってもらうことにしたんです。その中で、木っていうものとどういう風に向き合わなきゃいけないのかとか、道具っていうのは何のためにあるのか…。そういうことを仕事を通じてみんなと一緒に勉強しながら、今回の事業に携わりました。 


―芹澤さんにとって、小田原の「木づかい」というのはどういったことだと思いますか?

この「木づかい」っていう言葉は、きっと材料の木を使うという意味と、気持ちの気をつかうという意味を掛け合わせているのかなと思うんですけど、我々の仲間は「木づかい=気遣い」という風に考えているんですね。これが、我々建築関係に限らず、気を遣うということはですね、どんなことにしても大切なことだと思います。気を遣うにあたって、モノの根源をキチッと見極めないといけないと思うんですね。

 

私のこの仕事っていうのは、古いモノを大事にするってことだと思うんです。そこには根源が…先人達が1000年伝えてきた根源があるんです。だから、そこを軸に大事にしていかなきゃいけない。また、それを次世代に繋げていくのも私たちの役目。そして、今の時代の文化をつくるのも我々の役目なんですね。

 

そして、木づかい。私は建築なんでね、材料の木も使うんですけども、木っていうのは一つ一つみんな個性があって、そこに我々は気を遣ってモノを作っていくっていうのがとっても大事なのかなっていう風に思います。


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