「木づかいのまち小田原」

FMおだわら78.7MHz 情報番組「MORNING GARDEN」

毎月第4火曜日午前10時5分~

 

おだわら森林・林業・木材産業再生協議会方々をお迎えして、小田原の森や小田原産木材に関わるお話や木づかいへの思いを

パーソナリティ牧いずみとフリートークするコーナーです。


vol.4【森林インストラクター・南足柄緑の少年団 団長】渡邊 英夫

もっと森の中、山の中を
日常として使えるような場にしていきたい

―森林インストラクターとはどのようなお仕事なのでしょうか?

森林インストラクターという制度は、神奈川県の場合、2つ制度があります。私は平成3年に林野庁による農林水産大臣公認の資格を取りました。

この他に、神奈川県が養成している森林インストラクターという制度もあります。

同じ名前なんですけれども、県の資格と林野庁が管轄している資格の2つあります。


―資格試験のようなものを受験するんですか?また、参考書みたいなものがあって勉強するんですか?

林野庁の方は、現在、全国森林レクリエーション協会という所が認定の制度を行っているんですけれども、そちらの場合は4科目の筆記試験があります。

その1つが「森林」という科目で、植物や土壌、観天望気というお天気の話し。それも植物だけで無く、その周りの虫だとか鳥だとか動物だとか森林生態系を科目にしたものが、「森林」という科目になります。

これは、自然の成り立ちというのを覚えられるのでとっても面白い、非常に奥の深いところですね。 私もそうだったんですけど、そういうことを元々知っていたから資格を取ったんではなくて、資格を取るためにそういうことを勉強して「えっ!こんなに面白いことがあるんだ!」というのを体感したのが実態ですね。

 

参考書はいろいろな本が世の中にあります。特に「森林インストラクター入門」という教科書になるような本もあります。 最近では、我々の様に資格を取って経験を積んだインストラクターが後輩を養成しようということで、ノウハウを教えるということもやっているので、森林インストラクターになられるかたも大変増えて、神奈川県でも全国森林レクリエーション協会の森林インストラクターさんは300名を超えているかと思いますね。

―森林インストラクターになるとどういった活動をするんですか?

一言でいうと「森の案内人」っていうキーワードで森林インストラクターを表現します。

案内の仕方はいろいろありますので、人それぞれなんですけれども、私の場合は、大きく2つのテーマを持ってやっています。 

 

後ほど細かく紹介したいと思うんですけど、1つは、南足柄緑の少年団と言う団体を指導しています。これは、南足柄の場合は小学1年生以上なら入団可能ということにしているんですが、昔の「野山遊び」からスタートして植物や山の森林生体を体得して貰おうと。それから、夏はキャンプをして、出来るだけ自分で自分のことはやれるような人間になって貰おうという観点で指導をしています。

 

それともう1つは、緑の少年団から派生してやっているんですが、私も野山遊びを子供の頃からしていて、今でも身体を山の中で動かすっていうことがすごく好きなので、子どもたちと一緒に山の中を走り回ったりしているんです。 一つの山でも行く時々によっていつも新しい発見がありますし、「ここにこんなものが生えてきたんだ」「こんな珍しい植物が生えてくるんだ」「こんな虫が出てきたぞ」とかいつもいつも新鮮な気持ちで山に入っています。

―森林インストラクターになられた時の森の様子と今の様子はどのように変わっていますか?

私が資格を取ったのは平成6年なのでかれこれ22年前になります。

所々違いはありますが、今も昔も箱根の東側 外輪山のところっていうのは、神奈川県の中でも非常に良く森林が整備されている地域だと思いますね。

 

なぜかというと、森の中に入って大木や林があっても、その下草がちゃんと生えてるし、夜に山に入るととても面白いんですけど、いろんな動物がちゃんと住んでるんですよ。小田原や南足柄の森に。 動物がいるということは、それだけ生態系が豊富な森なんだなと思うので非常にいいところだと思いますね。

―夜の森って聞くと、ちょっと怖いなぁと思いますね。小田原だとどの辺りの森に入っていくんですか?

怖いです。

 

でも、とっても綺麗な所もあるんですよ。今の現代人は「光の無い世界」っていうのを体験したことがないのでとっても怖いと思うんですけど、実は、小田原の森は夜も非常に明るくて…私は、ちょっと関わりがあって、いこいの森の周辺の山に入るんですけども、街の光がこんなに夜も見えちゃうんだっていうのを夜の森に入ると感じますよ。 意外に明るいです。

 

それに月明かりとか星明かりも見えます。夜、山を歩くときの一つのコツは、出来るだけライトを使わずに歩く。人間の目って物凄く感度が良くてですね…目が慣れちゃうと光が無くても結構見えるもんなんです。

ただ、一人で山に行くのはあぶないので、私の様に山に行き慣れている者が案内して、安全確保しながらご案内するということをやっています。 実は、先ほどの緑の少年団でも、キャンプをすると、必ずナイトウォークというのをやります。

―ナイトウォークでは、子どもたちにどういったものを発見して欲しいとかあるんですか?

いくつかあるんですけど、1つは先ほど言ったように、人間の視力は本当は物凄くいいんだよっていうのを体感して欲しい。

もう1つは、夜の森の生態系を学んで欲しい。(基本的に)生えている植物は動かないので、夜でも昼でも同じなんですけど、植物の中にも、昼間の見え方と夜の見え方が違う植物もあります。

 

例えば、「ねむの木」は夜ちゃんと寝るんですよ。葉っぱが閉じちゃうんです。豆科の植物は、みんな夜、光りが無くなると葉っぱを閉じちゃいます。だから、「ねむの木」って言うんですね。 だから『なんでねむの木って言うんだろう』というのは、夜観ないと葉を閉じないので分からないじゃ無いですか…そういうのを観て、『これがねむの木なんだ』って分かってもらいたい。

 

それから夜になると森の動物がいろいろ活動を始めますので、それを観察しようというのも一つの目的です。

 

最初は夜歩く、特に最近は街中でも夜なかなか歩かないので。

もちろん塾の帰りとかは歩くんでしょうけども、一人で山の中を舗装もされてない、街灯もないところを歩くっていう経験をしてないので、そういう経験をするっていうのも人生の体験としていいかなぁと思っています。


―昼間の森と夜の森は違うんだって、分かっていても実際に体験できるのはなかなか出来ないですからね。

昼間の森は見やすいんですけど、夜の森はなかなか行こうと思っても一緒に行ってくれる人がいないと出来ないですからね。そもそも、夜の森がどんなに楽しいか分からないと思うんです。

 

実はこれから7月ぐらいになると、小田原の森の中もホタルがいっぱい飛び交うというのもほとんどの人が知らないと思います。

ホタルって実は、川にいるだけじゃなく、山の中にもいっぱい居ます。 でも、見る機会がないんですよね。

夜、山に入るっていう機会がないので、目にすることがなく知らないと観に行かないと思います。 県西の山の中には、ゲンジボタルとかヘイケボタルだけじゃなくて、ヒメボタルっていう種類もいます。実は、ホタルもいろんな種類が居るっていうのが、それで分かると思います。また、幼虫が光ってるっていうのもそれで観られると思います。

 

それも、豊かな森が小田原の近くにもまだいっぱいあるからです。これだけ、人工林があるなかにも、生態系がちゃんと維持されているからなんです。

―今日、渡邊さんとお話していて、一緒にいろんなことを発見していきたいなと思いました。これから何かやっていきたい。こういったものをやりたいというものはありますか?

先ほど森の案内人っていうことをお話しましたけれども、そういう事をもっと知っていただいて山・森に親しんでいただこうというのが、森林インストラクターの趣旨なのでそう思っていただけるのは本望です。

 

私も20年やり続けているんですれども、もっともっと山と森を身近なものにしていきたいな、その為にいろんな活動をしていきたいなと思っています。

生態系を知っていただく、理解していくっていうのも一つの活動なんですけれども、やっぱり山の中に人が入っていかないと山の価値も出てこないし、山に来る意味も分からなくなっちゃうと思うので、もっと森の中、山の中を日常として使えるような場にしていきたいなと思っています。

 

昭和30年代に燃料革命が起こってから森や山を利用する必要がなくなったという事情があるので、昔の使い方をまた取り戻せっていうのは、今の時代ムリなんですけど…別の使い方でもっと人が山に来てくれるようになってくれるといいなと思っています。

―渡邊さんにとって、小田原の「木づかい」というのはどういったことだと思いますか?

なかなか奥深いですね…。私が使っている名刺も、森林インストラクターということにこだわった檜の材を使って作ってもらった名刺を使うようにしています。

実は小田原市内のラ・ルースさんがいろんな種類のモノを作ってくれるんですけれども、地元産の檜を使ってみました。

 

あと、7年前に自宅を改装したんですけれど、その時は「木表しの家」っていうんですか…柱が見える家を作りました。

設計士さんにいろいろ相談したんですけど、在来工法で作るのって、材料費はそんなに高くないんですよね。手間の方が高いんですけど、家を建てる時ってそんなに大きく値段が変わるわけじゃなくって…

もちろんコンクリート製のRC工法あるし、木材を使った日本古来の在来工法もあるし…っていうことだったんですけど、木にこだわって家を建てさせてもらいました。柱も出来るだけ見えるようにしたり、以前住んでた家の天井に使っていた板を出来るだけそのまま再利用してもらったり、古材もそのまま使って貰ったりしました。

それから木そのものに普段から触れていたいなと思いがあって、食卓のテーブルとかも一枚の無垢板を見つけてきて使わせて貰っています。 いろんな木を感じていたいなと思っていたので、そういう家づくりをしてもらいました。 


―最後に渡邊さんからみなさんにメッセージをお願いします。

小田原市の方でも夏休みにいこいの森を中心にいろんな「木祭り」だとか「キャンプ」などのイベントが行われますので、是非お出かけください。

私もいろいろお手伝いしていることがあると思います。

 

また、神奈川県で2010年に「第61回 全国植樹祭」というイベントが開催されたんですけど、それを継続して植樹のイベント「緑の祭典」というのを神奈川県が開催しています。今年は、小田原市で2016年5月22日に開催されます。その時には私も参加しますし、緑の少年団も参加する予定ですので、是非一緒に参加して頂ければと思います。そういうときに皆さんにお会いしてご案内できればと思います。

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「つなぐ」 木づかいびとの想い
小田原地区木材業協同組合

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